「大恐慌」は富に関する考察抜きには理解できない

 その際、私の意見では、資本の蓄積ではなく、さらにつっ込んで「富の蓄積」を分析しなければならないと思う。これまでの大恐慌原因説は、この点を無視ないし軽視したため、問題の本質に迫れなかったと思う。しかしそれは、個々の経済学者の問題というより、現在の経済学そのものの欠陥ではないだろうか。アダム・スミス以来、経済学は蓄積された価値、つまり富の問題をほとんど無視してきた。しかし、「大恐慌」は、富に関する考察抜きには理解できないだろう。


【『「1929年大恐慌」の謎 経済学の大家たちは、なぜ解明できなかったのか』関岡正弘(PHP研究所、2009年/ダイヤモンド社、1989年『大恐慌の謎の経済学 カジノ社会が崩壊する日』改題)】


行き過ぎた格差にマーケットが鉄槌を下す/『富の不均衡バブル 2022年までの黄金の投資戦略』若林栄四