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ソロス氏:ギリシャ危機で欧州通貨統合の欠点浮き彫り−FTに寄稿

 米投資家ジョージ・ソロス氏は、ユーロは政治統合ではなく通貨統合を意図したものだったが、ギリシャ危機でその欠点が浮き彫りになったと指摘した。
 ソロス氏は英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)への寄稿で、欧州連合EU)加盟国が政治統合に向け次の一歩を踏み出さなければ、統一通貨が崩壊する恐れがあるとの認識を示した。
 さらに、直近の欧州財務相会合はユーロ圏全体の金融的安定を維持するための決意を表明したものの、それに向けた制度が構築されていないと指摘。
 同氏は、ギリシャ債借り換えに対する最良の解決策は、EU加盟国が償還債務の75%程度に相当するユーロ債を発行し、残りをギリシャが自らで調達することだと記した。
 ただ、ソロス氏は現時点では政治的に実現する可能性はないとし、その理由としてドイツが財政面であまり慎重でない加盟国の救済に消極的なことなどを挙げた。
 同氏は、将来の危機対策として「より踏み込んだ監視と制度的取り決め」が必要だと結論付けた。


ブルームバーグ 2010-02-22