先週読了。書くのを忘れていた。
27冊目『透きとおった悪』ジャン・ボードリヤール/塚原史〈つかはら・ふみ〉訳(紀伊國屋書店、1991年)/難解だが面白い。唾棄というよりも、痰棄ってな感じ(笑)。粘っこい痰(たん)を次々と吐きまくっている。きっと、誰よりも「現代」という名の毒を飲んでしまったのだろう。ジョン・グレイよりは、ボードリヤールの方が私の好みに合う。それにしても、学者特有の小難しい言い回しは何を意図しているのであろうか? 本当にこうした言葉でなければ自分の考えを表現することが不可能なのか? 目の前でこんな言葉づかいをされたなら、「あのさー、何言ってんのか全然わからないよ」と突っ込まれてしまうことだろう。「わかる言葉」に翻訳する人が必要だ。