苫米地英人、ジェフリー・ディーヴァー、佐藤優+宮崎学、小田嶋隆


 2冊挫折、2冊読了。


大好き!今日からのわたし。 愛される心とからだををつくる秘密の呪文集苫米地英人/これは、酷い代物だ。深夜の歓楽街で、「お客さん、いい写真がありますぜ」と売りつけられた写真が、動物の交尾や相撲の写真だったりする手口と一緒。「膨大な余白の中に何かあるんじゃないか?」と目を凝らして探してみたが、見つかったのは紙だけだった。きっと、いくつか紹介されている呪文に価値があるのだろう。それを見つけるまでに要した費用を、ベッチーはこの本で回収しようと企てたに違いない。だが、女子供(※差別用語です)であっても騙されることはあるまい。とにかく何度でも書いておこう。「酷い」よ。


クリスマス・プレゼントジェフリー・ディーヴァー/短篇集。まあ、そこそこ面白いんだけどね。でも、ディーヴァーとなると、やはり辛口にならざるを得ない。やっぱり、長編作家であることを痛感した。半分ほど目を通し、リンカーン・ライムとアメリア・サックスが登場する「クリスマス・プレゼント」を読んでやめた。ライムファンはこれだけでも読むんでしょーな。少々あざといねAmazonの評価は意外にも高い。


国家の崩壊佐藤優宮崎学学生運動の残党である(違ったらゴメンナサイ)宮崎学が主催する研究会で行った質疑応答を編んだもの。ソ連がどのように崩壊してゆき、ゴルバチョフエリツィンにどのような役回りがあったかを検証している。最初の方は面白くないのだが、そこはさすがの佐藤優で、驚くべきエピソードを次々と挙げて、それ以降は完全に佐藤ペースとなる。相変わらずの博覧強記ぶりで、実際に現場にいた者のみが知り得る生々しさに溢れている。歴史の攻防と政治力学を、佐藤優は算数のようにやさしく教えてくれる。既に、論壇の中央に聳(そび)え立っている感がある。宮崎学の「まとめ」は完全な蛇足で、本書をかえって貶める結果となっている。


我が心はICにあらず小田嶋隆オダジマンのデビュー作。タイトルは高橋和巳をもじったもの(『我が心は石にあらず』)。いやあ凄いよ。自分でなるべく「凄い」という言葉を使わないよう心掛けているのだが、それにしても凄い。20代から30代にかけて書いたテキストの数々。まるで、自由自在に毒を吐きつける蜘蛛みたいだ。あるいは、「ペッ、ふざけんじゃねえよ」と唾を吐き捨てる下町のオヤジそのものだ。しかも、どんな距離からでも痰壷にちゃんと命中させることができるのだ。テレビに出ているお笑いなんかとはレベルが違う。辛辣、諧謔、風刺、嘲笑が渾然一体となって、桁外れに正確な言葉が狙った的を射抜くのだ。わたしゃね、散々声を上げて笑い、読み終えた後で手を合わせてしまったよ。それほどの傑作だ。尚、既に絶版となっているが、具体的なメーカー批判があるため、復刊は難しいだろう。