下條信輔、ディーン・ラディン、岡田尊司、キース・デブリン+ゲーリー・ローデン、養老孟司、小田嶋隆


 4冊挫折、2冊読了。


〈意識〉とは何だろうか 脳の来歴、知覚の錯誤下條信輔トール・ノーレットランダーシュの『ユーザーイリュージョン 意識という幻想』を読んだ後では、子供だましに感じる。文章も説明調であまりよくない。


量子の宇宙でからみあう心たち 超能力研究最前線』ディーン・ラディン/真面目な超能力本。「たとえば、実際にあった二卵性双生児の少年が別々に育てられた事例では、養子にもらわれた先でそれぞれジムと名づけられ、そのジムはふたりともベティという女性と結婚し、そして離婚して、リンダという女性と再婚した。さらにふたりの職業はともに消防士であり、ふたりとも裏庭の木の周りに白い円形のベンチを作っていた」と書いてあるところでやめた。明らかに特異な例を持ち出して、何かを正当化しようという魂胆が丸見えだ。私からすれば、超能力よりも、目が見えることや耳が聞こえることの方がはるかに不思議なのだ。


悲しみの子どもたち 罪と病を背負って岡田尊司/文章はいいのだが、ことごとく陳腐な言い分となっている。著者は医療少年院に勤務する精神科医だが、現場に引きずられているような印象を受けた。固有性は知悉しているのだろうが、それを一般化する角度が浅い。2005年発行となっているが、明らかに勉強不足だと思う。


数学で犯罪を解決する』キース・デブリン+ゲーリー・ローデン/山形浩生の訳がまるでダメ。まえがきに「本物のキ××イ」などと書く神経を疑う。訳文にも時折、ウェブ上の掲示板を思わせる軽薄さが出ている。よくもまあ、こんな文章をダイヤモンド社が認めたもんだね。表紙も完璧な配色ミス。拳銃のデザインが死んでしまっている。山形浩生訳の作品は完全に読む気が失せた。こんな本であれば、ジェフリー・ディーヴァーリンカーン・ライム・シリーズを読んだ方がずっとためになる。


唯脳論養老孟司/まあ、性格の悪いオヤジだこと。こねくり回す文章が読みにくくて仕方がなかった。嫌な独白調が目立つ。それでも一読の価値あり。養老孟司は本書と『カミとヒトの解剖学』を読めば十分だと思う。


罵詈罵詈 11人の説教強盗へ小田嶋隆/11人の著名人を罵った作品。多分、オダジマンは金に困っていたのだろうと予測している。俎上に上げられたのは、天野祐吉秋元康柴門ふみ弘兼憲史曽野綾子渡辺恒雄、林真利子、田原総一朗山本コウタロービートたけし田中康夫と豪華キャスト。及び腰を装いながらも、かなり踏み込んでいる。いつもより長い原稿を書いたのも、何か挑戦的な試みだったのかも知れぬ。困ったことが一つ。小田嶋隆の文章に慣れてくると、回りくどい文章が全く読めなくなってしまうのだ。