古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

『ドキュメント 戦争広告代理店 情報操作とボスニア紛争』高木徹

 米国民間企業がPR手法を駆使して、国際世論を動かした。いまだに多くの人々が、セルビア人が加害者でムスリム人が被害者だと思い込んでいるはずだ。ミロシェビッチは悪の権化とかね。国際世論を見方にした方が勝つという、戦争の新たな次元を示している。ただ、テーマは秀逸なのだが、文章に勢いがないのが難点。新しい戦争のカタチは情報戦だ。講談社ノンフィクション賞新潮ドキュメント賞をダブルで受賞。