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読売主筆「不正蓄財」は根拠なし、文春に謝罪広告命令

 不正な蓄財をしたかのような記事を週刊文春に掲載され名誉を傷つけられたとして、読売新聞グループ本社渡辺恒雄会長・主筆が発行元の文芸春秋と同誌編集長に慰謝料などを求めた訴訟の判決が31日、東京地裁であった。
 綿引穣裁判長は、「記事は真実と信じる相当な理由がなく、許される推論の域も逸脱し、違法」と述べ、謝罪広告の掲載と慰謝料200万円の支払いを命じた。
 週刊文春は、2004年11月18日号と同月25日号で「『10億円不動産』の謎」などの見出しをつけ、渡辺主筆の資産について「収入に比べてあまりにも大きすぎるように見える」などと報じた。
 判決は、「原告が不正な蓄財をしていたとうかがわせる資料は一切見当たらない」と認定したうえで、記事が1992年以降に限定して手取り額を推計し、自宅マンションを購入できないとした点について、「92年より前の収入を無視した推測は合理的でない」と指摘した。
 また、国税当局が渡辺主筆の資産に関心を持っているとの記述についても、税務調査が行われた形跡がないことなどから、「真実であるとか、真実と信じる相当の理由があったとは認められない」と述べた。
 判決は、同様の記事が2度にわたり掲載されたことを重視し、名誉回復のために「不正な蓄財を行っているとの事実は一切存在しませんでした」「週刊文春編集部では、十分な事実の確認を怠ったため、このような記事を掲載してしまいました」「渡辺様にお詫び申し上げるとともに、今後は事実確認を徹底することを誓約します」との謝罪広告週刊文春に掲載することが必要と判断した。
 渡辺恒雄読売新聞グループ本社主筆の話「ずさんな推計をもとにした事実と全く異なる記事だったことが明確にされた。不正な蓄財をしたように書かれ、新聞社の主筆として大きな被害を受けたが、裁判所が正確に理解し、賠償金に加えて謝罪広告という厳しい判決を出したことに満足している」


【読売新聞 2006-10-31