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一部週刊誌に抗議の手記/北谷町米兵暴行事件

 強姦救援センター・沖縄(REICO)は24日、北谷町で発生した米軍曹による女性暴行事件の被害女性からREICOに対し「一部週刊誌の報道や取材におびえる生活を強いられ、精神的にもどん底の状態にある」とする訴えがあったと発表、マスコミや社会に対し被害者の視点で事件を認識するよう求めた。また同日、県内の女性議員44人は「被害者の心身ケアが十分保障される具体的施策を講ずること」など四項目を求める連名アピールを発表した。女性議員によるこうした連帯声明は初めて。
 REICOの広報を担当する高里鈴代さんは「被害者に落ち度があったかのような一部報道やプライバシーを考えない取材があり、どこに主眼を置いて取材するかの姿勢が問われている。二次、三次の人権侵害が起こっていることを認識し、被害者の声を受け止めてほしい」と話している。
 REICOは、被害女性をサポートする立場から今月4日付の本紙を通じ、同事件の被害者に対し「性犯罪で悪いのは百パーセント加害者で、被害者に落ち度はない」とするメッセージを発表。これを受け、被害者から現在の状況に関する訴えが寄せられた。
 被害者の女性は手記の中で「事件をおもいだすのもつらい。プライバシーも考えずに一部週刊誌が私をおとしめるような事実でもないことを書き立てていることに憤りを感じます」と抗議。
 週刊誌の女性記者が職場に偽名で電話をかけ、「夜中にちゃらちゃらする女が問題」「お金が目当てでしょう」「テレビ局が来てモザイクで放映されるという話がある」などと言われたことなどを記し、「ちょっとしたことで事件を思い出しパニックになる。裁判も控え、大きな不安と恐怖が襲ってくる。これ以上騒がないで下さい」と訴えている。
 高里さんは「性被害の被害者が声を上げにくいのは、声を上げた後に先々で周囲の攻撃を受けることがあるから。被害者の声を聞くと人権侵害が起きていることが分かるし、こうした状況に耐えていくのは大変な負担。途中でめげてしまう状況も生まれかねない」と話し、マスコミや周辺社会に対し、被害者のプライバシー保護と、被害者の視点で問題を認識することを求めている。


琉球新報 2001-07-25