週刊新潮の虚偽の記事で社会的評価が低下したとして、楽天と同社の三木谷浩史社長らが発行元の新潮社などに計14億8000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁(原優裁判長)は26日、記事が名誉棄損にあたると認め、新潮社側に計990万円の支払いを命じた。
問題となったのは、週刊新潮2006年9月7日号の「水面下で捜査が進む 『楽天』三木谷社長の『Xデー』」の見出しと記事など。TBS株をめぐるインサイダー疑惑で三木谷社長が東京地検から事情聴取されたなどと報じた。
原裁判長は「新潮社の取材結果はいずれも伝聞にすぎず、三木谷社長への捜査を否定する取材結果も複数あった。記事を事実と認めることはできないし、新潮社が事実と信じる理由があったともいえない」と指摘。楽天への賠償額を550万円、三木谷社長への賠償額を440万円と算定した。
【日本経済新聞 2009-01-26】