メンデ・ナーゼル


 1冊読了。


 12冊目『メンデ 奴隷にされた少女』メンデ・ナーゼル、ダミアン・ルイス/真喜志順子〈まきし・よりこ〉訳(ソニー・マガジンズ、2004年/ヴィレッジブックス、2006年)/スーダンの村がアラブ民兵に襲撃される。民兵は家に火を放ち、大人達の喉をナイフで切り裂き、子供達を連れ去った。この時、メンデは12歳だった。女の子は全員がレイプされた。8歳の少女までもが。その後、彼女達は奴隷として売り飛ばされた。動物以下の仕打ちに遭い、日常的に虐待される日々。家から出ることが許されたのは2年後のことだった。読みながら私の心に沸いてくるのは怒りではなかった。明白な殺意だ。同じイスラム教を信じる者が殺戮に手を染め、奴隷商売で一儲けしているのだ。メンデが脱出に成功したのは2000年のことだった。この時のメンデの主はイギリスのスーダン大使館広報官だった。アフリカが置かれた悲惨な現状を知るには、レヴェリアン・ルラングァ著『ルワンダ大虐殺 世界で一番悲しい光景を見た青年の手記』と本書は必読である。メンデの健気(けなげ)な生きざまに、息苦しくなるほどの感動を覚える。