古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

平将門の亡霊を恐れる三井物産の役員/『スピリチュアリズム』苫米地英人

平将門の首塚」だってよ。周辺跡地に大蔵省が建てられることとなったが、工事関係者や大蔵省職員の不審死が相次いだそうだ。

 東京・地下鉄大手町駅から歩いて1分、ビジネス街の一角に平将門首塚が祀られています。そばにある三井物産の役員室は、全部そこにお尻を向けないように設計されています。つまりエリートビジネスマンが平将門の霊力を信じて畏れているということです。これは1000年単位で続いている迷信ですから、相当に強く洗脳が維持されていると言えます。
 国や地域で畏れる対象は異なっていても、現在生きている人類はすべてなんらかの迷信に洗脳されていると思った方がいいでしょう。お互いがお互いを洗脳し合っているのです。洗脳状態をお互いが巧妙に維持し合っているというのが、この世の実情かと思います。


【『スピリチュアリズム苫米地英人(にんげん出版、2007年)】


 いやあ笑わせてもらった。信じることによって、祟りが現実のものとなるのだろう。ブードゥー教の呪いと同じメカニズムだ。


 将門なんぞの怨念に力があるとすれば、ルワンダなんか怨霊で溢れかえっていることだろう。


 とはいうものの、人間心理というのは馬鹿馬鹿しいところに面白さがある。


霊は情報空間にしか存在しない/『洗脳護身術 日常からの覚醒、二十一世紀のサトリ修行と自己解放』苫米地英人
霊界は「もちろんある」/『カミとヒトの解剖学』養老孟司
怨霊の祟り/『霊はあるか 科学の視点から』安斎育郎
合理性と再現可能性/『科学の方法』中谷宇吉郎