全ての票が数えられる社会は来るのか

 大統領選挙はオバマの勝利。マケインはいち早く敗北を受け入れた。それでオーケー……ということで良いのだろうか?アメリカは個人を尊重する国のはずなのに、なぜか選挙となると個別の票集計はいいかげんで、不法な妨害により投票できなかった人たち、郵送投票しても集計されなかった人たち、間違ったデータにより「あなたには選挙権がありませんよ」と選挙当日に宣告された人たちに対しては顧みられることがない。


 結局のところアメリカは、普段はそうでないにせよ、決定的に重要な場面において個性や人権が軽視される社会のように思えてならない。政府は金融業界を救済するために7,000億ドル(75兆円)もの公的資金をつぎ込むが、貧困に苦しむ米国民3,730万人には何の融資もしない。腐敗した保険企業には850億ドル与えても、医療保険に加入できない米国民4,570万人には何の救済もしない。イラクは沈静化、アフガニスタンには増派などと戦況ばかりが大局的に報道されるが、ブッシュ政権の提示した戦争の大義という嘘を信じて死んでいった田舎出身の若い兵士たちや、理由もなく虐殺され、巻き添えに殺されたイラク国民たち……その1人1人に家族と名前があった人たちの棺から聞こえる無念の声や、墓前に集う人たちの声が、新大統領の演説のように全米にライブ放送されることは決してない。だいいちアメリカ国民は、いったい何人が戦死したのかすら正確には知ることがなく、今後何人が戦死するのかについてすら興味がないといった風情だ。


暗いニュースリンク 2008-11-06