古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

2010-07-01から1ヶ月間の記事一覧

フロイトの生涯

日本の性科学者・高橋鐵(てつ)は、「書いた、恋した、生きた」と墓銘(ぼめい)に刻まれた作家スタンダールになぞらえて、フロイトの生涯をこう評している。「悩んだ、思索した、闘った」 【『性愛術の本 房中術と秘密のヨーガ』(学研ブックス・エストリ…

認識したものだけが世界である

リアルな現実世界を完全に認識することはできない 「認識したものだけが世界である」という考え方は夢を実現させるときにとても大事なものです。これはつまり「認識が変われば世界が変わる」ということを意味するからです。 多くの人が考えている「リアルな…

イタリア・アマルフィーの郵便配達員

労働の豊かさを感じる。スピードと効率が労働を貧しい行為にしてしまった。

隠れた“消費税”

2009年のテレビ広告費は1兆7139億円です。ざっくりと一世帯当たり年間「3万4000円」程度を,CMを投じている消費財やサービスを購入する際に“民放受信料”として負担していることになります。1日当たり約100円です。放送受信料(地上契約)を1年分前払いした場合…

「私たちは二人の友だちです」/『知恵のめざめ 悲しみが花開いて終わるとき』J・クリシュナムルティ

クリシュナムルティの「言葉の揺れ」を正確に翻訳した労作で、原書のみならず録音テープの内容で補完している。つまり、声の響きを除けば我々は聴衆と全く同じ位置に置かれるというわけ。 ただし既に書いた通り、小早川&藤仲コンビの姿勢は評価できるが、そ…

電波利用料

テレビ局の電波利用料負担は、ここにあげなかった局を含めて総計で34億4700万円にしかならない。一方で営業収益は3兆1150億8200万円。電波を独占して上げる収益に対して利用料が千分の一。低すぎませんか。 (河野太郎) 国の放送事業歳出費は二百数十億円に…

円谷幸吉の遺書

父上様、母上様。幸吉はもうすつかり疲れ切つてしまつて走れません。何卒お許し下さい。気が休まることもなく御苦労、御心配をお掛け致し申しわけありません。幸吉は父母上様の側で暮らしとうございました。【画像】 川端康成は、『円谷幸吉選手の遺書』にお…

呉子「戦場とは屍(しかばね)をさらすところだ」

呉子曰く、「凡そ兵戦(へいせん)の場は、屍(しかばね)を止むるの地、死を必(ひつ)とすればすなわち生き、生を幸(さいわい)とすれば則ち死す。 其の善く将たる者、漏船(ろうせん)の中(うち)に坐(ざ)し、焼屋(しょうおく)の下(もと)に伏する…

個人の思想というものはありえない

個人の思想というものはありえないし、思想の実践的営為は個人的なパースペクティヴを否定すること以外の出口を持つこともありえない。哲学というイデーそのものに、ある一つの原初的な問いが、すなわちいかにして人間的な情況から外へ出るのかという問いが…

社会保障が抱える「暗黙の債務」

社会保障が抱える「暗黙の債務」は「積立方式であれば存在していた積立金と、実際の積立金との差額」として定義できる。(経済産業研究所)

『glee』(グリー)

Wikipedia 町山智浩【ポッドキャスト】

在沖米海兵隊 広がる不要論 下院の重鎮「冷戦の遺物」

在沖米海兵隊の不要論が最近、米国内で急速にわき上がっている。米民主党の重鎮で、政府に影響力を持つバーニー・フランク下院歳出委員長が「米国が世界の警察だという見解は冷戦の遺物であり、時代遅れだ。沖縄に海兵隊がいる必要はない」と公に訴えたこと…

官房機密費問題で上杉隆に噛みつく辛坊治郎

読売グループやマスコミ業界に対する出場者の批判には強硬に反論するフシがある。(Wikipedia) 動画 三宅久之氏が語る官房機密費【たかじんのそこまで言って委員会】

日本を半世紀にわたって支配してきた「自民党」はCIAのエイジェントによって作られたCIAのために働く党だった

拙訳「かつてアメリカがリクルートした二人の一番影響力のあるエイジェントがCIAの日本政府を支配する任務を遂行するのを助けた」 で、其の二人の男とは、岸信介と児玉誉士夫である。 【雁屋哲の美味しんぼ日記(以下同)】 ワイナー(※ニューヨーク・タイム…

【官房機密費問題】上杉隆vs三宅久之

結論――三宅久之の自爆テロ。 小島慶子のキラ☆キラ【ポッドキャスト】

気候の変動はゆっくりと穏やかに起こるわけではない

われわれは小氷河期から二重の教訓を学ぶことができる。ひとつは、気候の変動はゆっくりと穏やかに起こるわけではないということだ。ある時代から別の時代に突如として変化する。その原因は不明であり、人間にはその進路を変えることはとうていできない。ふ…

法律など蜘蛛の巣のようなものだ

「法律など蜘蛛の巣のようなものだ――弱者は搦(から)め取られるが、強者は引っかからない」 【『メービウスの環』ロバート・ラドラム/山本光伸訳(新潮文庫、2004年)】 ロバート・ラドラム

「Hallelujah!」A Soulful Celebration

20歳前後で買ったレコードの一枚。この頃はお金がなかったので輸入盤ばかり買い漁っていた。ヘンデルの「ハレルヤ・コーラス」である。私が通っていた札幌の中学では、卒業生がこの曲をドイツ語で歌うのが恒例となっていた。これがまた信じられないくらい上…

問い:何故学ぶのか? → 答え:自由になるため

ベイリーは後に、こう書き記している。「その瞬間、黒人を奴隷にしている白人の力が分かったのだ。……私は、奴隷の身分から自由に至る小道を見つけたのである」(読書猿Classic: between / beyond readers)

日本経済をさらに泥沼に押し込め税収も減らす愚かな税制変更

国民の痛みという問題はおくとしても、「税率アップが税収を減少させる」という現実を考慮しない税制変更論議は危険極まりないものである。消費税は、物品やサービスを購入してくれなければ課税されないものであり、所得税は、所得がなければ(低ければ)課…

峰島旭雄、和田靜香、苫米地英人、J・クリシュナムルティ

2冊挫折、2冊読了。1週間以上前のこと。 挫折58『西洋は仏教をどうとらえるか 比較思想の視座』峰島旭雄〈みねしま・ひでお〉(東京書籍、1987年)/全く歯が立たず。20ページほど読んで、後はパラパラとめくってみただけ。比較思想は結構なんだが、「比較の…

『科学と宗教との闘争』A・D・ホワイト/森島恒雄訳(岩波新書、1968年)

科学と宗教との闘争 近世の初頭、自然科学の勃興に対して加えられた迫害の歴史は、今では遠い昔語りとなり、今日のめざましい科学の進歩が、宗教的権威や根強い偏見との果敢な闘争をとおして獲得された事実も、いつとはなく忘れ去られようとしている。本書は…

『思想の自由の歴史』J・B・ビュァリ/森島恒雄訳(岩波新書、1983年)

思想の自由の歴史 今日、私たちは学問・信仰の自由など思想の自由を当然のことと考えている。だが、この市民的権利は長い歴史の中でごく最近になって獲得されたものであり、そのために数多くの血が流されてきている。本書は、近代民主主義社会を支える思想の…

人間の心は究極的にはわからない

臨床心理士は「人間の心は究極的にはわからない」ことをよく知っている人なのです。 だからこそ、プロの聞き手なのです。 【『プロカウンセラーの聞く技術』東山紘久〈ひがしやま・ひろひさ〉(創元社、2000年)】 東山紘久

映画『Cat Shit One -THE ANIMATED SERIES-』

私はアニメの類いを全く観ないので、細密なCG画に驚かされた。よく出来た作品なんだが、描写が「行き過ぎたリアリズム」を志向していて、逆にアニメーションの可能性を閉ざしているような印象を受けた。更に敵であるラクダ部隊が明らかに中東国を連想させ、…

「機密費がマスコミへ」につづく野中広務・第二の「爆弾発言」

野中広務「鳩山前首相が1ヶ月半前に、外務省の元高官を通じて沖縄県知事のところに行って辺野古に移設することを決めるように、そして、小沢氏を道連れに辞任するように、米国から命じられた。自分は、元高官から話をきいた」。(岩下俊三のブログ) 野中広…

社民切りが「小沢氏の許容範囲超えた」…検証2

鳩山が福島罷免に踏み切る前日の5月27日夜。民主党の小沢一郎幹事長はひそかに首相公邸に入り、鳩山と向き合った。 小沢は大詰めを迎えていた沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題で「沖縄県内移設」に反対する福島に配慮するよう、「円満解決」を求めた。「福…

重力に抗うストイシズム/『重力と恩寵 シモーヌ・ヴェイユ『カイエ』抄』シモーヌ・ヴェイユ

私はどうしてもこの女性が好きになれない。シモーヌ・ヴェイユはあまりにも清らかで純粋だ。彼女は生き急ぎ、死に急いでいた。常人の数倍ものスピードで生きた彼女は34歳で死んだ。 「カイエ」とは「ノート」のことで、ヴェイユのノートを箴言集風に編んだ作…

真の投機家

だいたい、バブル紳士などと言われるようでは最初からなっていない。本当の投機家は、投機のジャングルに出かけるときには緑の保護色をまとい、そうでないときは普通の社会人としての保護色をまとっている。普段はベーシックな業務に精を出し、腹七分目でサ…

さしずめ「車椅子BMX」−Aaron Fotheringham

Aaron Fortheringham君は、まだ10代のようだ。彼は「失敗を恐れるな」「失敗こそは楽しい」と教えてくれる。 【自転車】