古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

『マトリックス・レボリューションズ』ラリー・ウォシャウスキー、アンディ・ウォシャウスキー監督

 ・『マトリックス・レボリューションズ』ラリー・ウォシャウスキー、アンディ・ウォシャウスキー監督

『マトリックス』三部作:ウォシャウスキー兄弟監督(1999年)
『LUCY/ルーシー』リュック・ベッソン監督、脚本


【5点】

 こりゃ、キリストのパロディだね。ネオが一仕事終わった時、磔(はりつけ)になったイエスと同じポーズで横たわっているのがその証拠。ましてや、光にまで包まれている。


マトリックス』がそれなりに見せていただけに残念無念。もっと仏教的な世界になるものだとばっかり思ってたよ。


 マトリックスに存在する時は、ピカピカの恰好なのに、現実に戻ると粗末な衣服になっているところなんぞも、ピューリタンの臭いがプンプンしている(笑)。


 敵方が一方的に悪者とされているところも、如何にもキリスト教って印象だわな。戦争の理由や苦悩が全く描かれてないようにも感じた。


 根拠の弱い正義感を掲げてネオが戦う様や、勝ち目が無いとなった途端、救世主を望むところなどは、まるで現在のアメリカを風刺しているようにすら見えた。


「レボリューション(革命)」を謳っておきながら、極めて古い手法を踏襲しているのが可笑しい。映画館に足を運ばなくてよかったと痛感。