人間の赤ちゃんが無力なのは複数の大人の保護を前提にしている

 人間は、直立し、二本足で歩行するという基本的な特徴を持っている。これは、樹上生活にくらべ、ずいぶんと危険の多い生活様式である。とくに力が強いわけでもない人間の祖先がこうした生活様式を採用しえたのは、やはり社会的協同のたまものであろう。つまり、人間の赤ちゃんが無力なのは、母親ばかりでなく、複数のおとなの保護を前提にしているのだ、と考えてよいように思われる。


【『知的好奇心』波多野誼余夫〈はたの・ぎよお〉、稲垣佳世子中公新書、1973年)】


知的好奇心 (中公新書 (318))