古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

同時多発テロは「犯罪」であって「戦争」ではなかったはず

 言うまでもなく、ニューヨークやワシントンで起こった同時多発テロは許しがたい犯罪です。しかし、それは「犯罪」であって「戦争」ではなかったはずです。ところが、アメリカ政府は、これはもう戦争である、したがって我々は報復戦争をする、と主張している。「悪の枢軸」をなすイラクやイランや北朝鮮といった国は、テロリストを助け、大量破壊兵器を開発しているという意味において危険きわまりない、我々はそれらをテロリストもろとも敵とみなし、断固として敵対していくのだ、というわけです。


【『良心の領界』スーザン・ソンタグ/木幡和枝〈こばた・かずえ〉訳(NTT出版、2004年)】


良心の領界