古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

作家は活動家であってはならない

 作家──もちろんこの言葉は、たんに本を出す人という意味ではなく、文学という事業に取り組んでいる人を指して使っている──は活動家ではない。活動家であってはならない。解決を追求すること、そのため必然的にものごとを単純化することは、活動家の仕事だ。つねに複合的で曖昧な現実をまっとうに扱うのが作家、それもすぐれた作家の仕事である。常套的な言辞や単純化と闘うのが作家の仕事だ。


【『この時代に想う テロへの眼差し』スーザン・ソンタグ/木幡和枝訳(NTT出版、2002年)】


この時代に想うテロへの眼差し