古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

アンドレ・コント=スポンヴィル、ナオミ・クライン、トム・ロブ・スミス


 2冊挫折、2冊読了。


 挫折41『資本主義に徳はあるかアンドレコント=スポンヴィル/小須田健〈こすだ・けん〉、C・カンタン訳(紀伊國屋書店、2006年)/250ページでやめた。本書の半分が質疑応答となっているが、さほど面白くない。前半の講演もチマチマしていて説明が長すぎるように感じた。


 挫折42『ブランドなんか、いらないナオミ・クライン/松島聖子〈まつしま・せいこ〉訳(はまの出版、2001年/〈新版〉大月書店、2009年)/ナイキ、シェル、ギャップ、スターバックスといった国際企業が、どのようにアジアから搾取しているかを暴いたルポ。50ページで挫ける。大部にもかかわらず、文章が全く馴染めなかったためあきらめた。


 85、86冊目『グラーグ57 上』『グラーグ57 下トム・ロブ・スミス田口俊樹訳(新潮文庫、2009年)/案の定、前作の出来がよすぎた(笑)。筋書きが粗い。グラーグ57と呼ばれる刑務所に船で向かう件(くだり)はあまり必要性が感じられなかった。それでも一気読みさせられる。「家族の物語」は深刻の度を増す。レオ・デミトフ・シリーズは三部作で完結する予定とのこと。量産を抑えてじっくりと若き才能を育ててもらいたい。田口の訳は時々わかりにくくなる。他の作品も同様だ。