1冊読了。
40冊目『殉教 日本人は何を信仰したか』山本博文(光文社新書、2009年)/昨日読了。冒頭の章で遠藤周作著『沈黙』を歴史的に検証し、豊臣・徳川家によるキリシタン迫害の模様が描かれている。壮絶極まりない死にざまだ。何が彼等をして殉教に向かわせたのか? そして多数の日本人が信じるに至った理由はどこにあったのか? 拷問に次ぐ拷問にも屈することなく、火あぶりにされても身じろぎひとつせずに彼等は死んでいった。著者は意図的に歴史の事実を示すことに重きを置いて、控え目な考察を加えるにとどめている。歴史とは「かくの如き人物が存在した」という動かしようのない事実である。宣教師を始めとする殉教者の数は実に4000人を数える。