新潮社に訂正広告命じる 輸送車襲撃被告の名誉棄損

 大阪市の現金輸送車襲撃事件で無期懲役判決を受けた無職N泰被告(77)=上告=が週刊新潮の記事で名誉を傷付けられたとして、損害賠償などを求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁(大和陽一郎裁判長)は31日、新潮社に訂正広告の掲載を命じた。賠償額は計80万円とした1審大阪地裁判決を計150万円に増やした。
 判決によると、週刊新潮は2003年10月23日号で、1995年に東京都八王子市のスーパーで起きた強盗殺人事件などをめぐり、中村被告の実名を挙げ「『八王子スーパーで3人射殺』と報じられた強盗犯の恐るべき正体」との見出しの記事を掲載した。
 判決理由で大和裁判長は、新潮社が確実な情報を得ていたわけではなく、逆に捜査幹部が否定的な回答をしたとの情報があった点を挙げ「虚偽の事実を示し、冷酷な殺人者であるとの強烈な印象を与えた」と指摘した。
 その上で「慰謝料だけでは低下した名誉は容易に回復しない」とし、訂正広告の掲載が必要だとした。


中国新聞 2008-01-31