古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

辛淑玉


 1冊挫折。


怒らない人辛淑玉(しん・すご)/半分ほど飛ばし読み。もったいない本である。在日朝鮮人として日本で生まれ育った苦労が書かれている前半がまるでダメ。例えば、転校が多かった小学生時代の作法として、紹介を終えて座席に着く前に、一番の悪ガキとおぼしき生徒の頭を上履きで殴りつけるというのが紹介されている。ここに象徴されているのは、抑圧された民族であれば暴力を振るっても構わないという論理である。ま、一種のテロ行為といってよい。たとえ筆舌に尽くせぬ苦労があったにせよ、卑屈な通奏低音があるため、批判が悪口のレベルに見えて仕方がない。各政党にケンカを売っているが、公明党批判は的を射たもので、極めて正当な意見だ。辛淑玉は、もっとサラリとしたエッセイ風のものを書くべきだと思う。