古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

2009-02-22から1日間の記事一覧

日蓮の『立正安国論』/『鎌倉佛教 親鸞と道元と日蓮』戸頃重基

日蓮の思想は右翼に利用されてきた歴史がある。 ところで、北(一輝)、石原(莞爾)両者とも熱烈な日蓮信者であったわけだし、後述する井上日召も日蓮宗僧侶であった。日本の「右翼」とされる人物には日蓮信者が多い。 【昭和の右翼思想について】 我々は(…

G・H・ハーディはラマヌジャンを警戒した/『無限の天才 夭逝の数学者・ラマヌジャン』ロバート・カニーゲル

ハーディは当代きっての数学者であった。しかし、このケンブリッジ大学教授ですら、ラマヌジャンの数学理論を「狂人のたわごと」程度にしか思っていなかった。ハーディ以外の数学者にもラマヌジャンは手紙を出していたが、誰一人としてまともに扱おうとする…

社内主義から社外主義への転換/『スーパーサラリーマンは社外をめざす』西山昭彦

・社内主義から社外主義への転換・『制度と文化 組織を動かす見えない力』佐藤郁哉、山田真茂留 ビジネス書ではあるが、日本人の内向性を見事に言い当てている。組織の内側に向かうエネルギーが、企業から体力を奪い取っている。 この数年間、多くの企業の部…

「上を向いて歩こう」坂本九、近藤房之助、忌野清志郎

同じ曲でありながら、それぞれカントリー、ブルース、ロックンロールという味つけの違い。歌手の力量が、歌の力を見事に引き出している。近藤房之助の声の表情と陰影、忌野清志郎のねばっこくからみつくようなヴォーカルが圧巻。

イェーリング、森本哲郎

1冊挫折、1冊読了。 挫折9『権利のための闘争』イェーリング/私が読んだのは小林孝輔、広沢民生訳(日本評論社、1978年)。28ページで挫ける。傲慢な保安官を思わせる文体にウンザリ。1872年に行った講演の原稿が元になっているとのこと。先住民(インディ…