このレコード(『ラスト・デイト』)は、すべての演奏が終わった後、まるでライヴの会場のように、エリック・ドルフィーがマイクに向かって、こう語りかけるところで終わっています。
"When you music, after it's over it's gone in the air, You can never capture it again"
「音楽というものは、一度、聞き終わると、空中に消え去り、二度と捕まえることはできないのです」という意味にでもなるでしょうか。
ほんとうに、音楽は消え去り、残りません。しかし、そのことを痛切に感じていた演奏者の、奇跡的な演奏が、空中にではなく、レコードとして残り、それから半世紀近くにわたって聴き続けられているのもなんだか不思議な気がしますね。