大量殺戮を食い止める

 今日、戦争の絶滅が可能だ、と誰が信じているだろうか。誰も、平和主義者でさえも信じてはいまい。私たちが望むのはただ(現在のところこれさえ無益な望みだが)大量殺戮を食い止め、戦時法規(戦闘員が守るべきそのような法規があるのだから)を踏みにじった者たちが裁かれ、武装による戦闘のかわりに交渉による打開をはかることによって特定の戦争を避けることである。


【『他者の苦痛へのまなざし』スーザン・ソンタグ/北條文緒訳(みすず書房、2003年)】



他者の苦痛へのまなざし