『警察庁長官を撃った男』鹿島圭介(新潮社、2010年)



警察庁長官を撃った男

 2010年3月30日に時効を迎えた国松孝次警察庁長官狙撃事件。警視庁の現職巡査長が犯行を自供したり、当初からオウム真理教による組織的犯行の疑いが指摘されながら、警視庁公安部の捜査は犯人逮捕には至らなかった。一方で、2002年11月、愛知県警察に逮捕された一人の男に警視庁刑事部捜査第一課は注目していた。男の名は中村泰。東大を中退したインテリで、銃に対する知識は豊富。何より、逮捕容疑となった現金輸送車襲撃で見せた射撃の腕前は、とても70歳を過ぎた老人とは思えないものだった。中村の関係先を捜索すると、おびただしい量の銃やマシンガン、実弾が発見され、さらに長官狙撃事件に関する膨大な資料が……。治安機関トップを狙撃するという、重要未解決事件の舞台裏に光を当てる迫真のドキュメント。