イェーリング、森本哲郎


 1冊挫折、1冊読了。


 挫折9『権利のための闘争イェーリング/私が読んだのは小林孝輔、広沢民生訳(日本評論社、1978年)。28ページで挫ける。傲慢な保安官を思わせる文体にウンザリ。1872年に行った講演の原稿が元になっているとのこと。先住民(インディアン)や黒人の権利は不問に付しながら偉そうなことを言うんじゃねえやい、という心持ちになる。


 28冊目『生き方の研究森本哲郎(新潮選書、1987年)/久し振りに森本哲郎を読む。リリシズムが蝶のように舞っている。文体が深代惇郎とよく似ている。歴史上の様々な人物を取り上げ、生き方を問う。引用されている書籍も豊富だが、決してそれらに寄り掛かっていない。手放しで絶賛しても、必ず自分の言葉が加えられている。そこに森本哲郎の確かな思索の軌跡がある。特に、『ロビンソン・クルーソー』の章は痺れた。ため息が出るほどの文章だ。