20世紀に、これと同じように始まったけれど、異なる結末を持つある出来事を思い出してみよう。ファシストがデンマークに侵攻したとき、すべてのユダヤ人は着ているものに黄色い星のワッペンを縫い付けるように命令された。そうすれば、すぐに見分けがつくからだ。するとデンマークの市民は誰もがただちに黄色い星を縫い付けた。ユダヤ人を救い、自分たちもファシストにならないために、国王も国民の行動を支持した。
【『プーチニズム 報道されないロシアの現実』アンナ・ポリトコフスカヤ:鍛原多惠子〈かじわら・たえこ〉訳(NHK出版、2005年)】