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『ボルヘスとわたし 自撰短篇集』ホルヘ・ルイス・ボルヘス/牛島信明訳(新潮社、1974年)



ボルヘスとわたし 自撰短篇集 ボルヘスとわたし―自撰短篇集 (ちくま文庫)
(※左が単行本、右が文庫本)

 人間の運命が無限に反復する──そんな迷宮的世界を描きつづけた作家ボルヘス。本書は、そのボルヘス自身が凝縮・構築した、“ボルヘス小宇宙”ともいうべき珠玉の一冊である。全体は三部からなり、第一部は代表作「アレフ」「死とコンパス」「円環の廃墟」「ボルヘスと私」など自ら選りすぐった20編を収録する。第二部「自伝風エッセー」では、幼少期から短篇執筆の日々までを回想し、さらに第三部で収録全短篇作品をボルヘス自身が注解する。