林秀彦


 1冊読了。


 80冊目『おテレビ様と日本人林秀彦(成甲書房、2009年)/林秀彦はテレビドラマ『鳩子の海』や『七人の刑事』の脚本を書いた人物。テレビ側の人間としてスポットライトを浴びていたさなかに自殺を試みた。その後、日本を脱出しオーストラリアの山中で暮らしていた。18年ぶりに帰国すると、日本人が白痴化してる事実に打ちのめされた。テレビの光と闇を知る著者が、真っ向からテレビを批判している。単純に見えるが、実は複雑性をはらんでいる。二元論に傾いているのも、白痴化した大衆を見据えてのことだろう。その意味で、読者の知性を試す主張であり、容易にイエスとは言いにくい内容となっている。林は多分、単純vs単純という構図を企図したに違いない。松山善三に師事したことからも硬骨漢であることが窺える。本書には「熱い怒り」がたぎっている。