古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

ボストン・テラン


 1冊読了。


 8冊目『神は銃弾』ボストン・テラン(文春文庫、2001年)/これは傑作。デビュー作というのだから驚き。文学性の薫り高いミステリ作品。昨日の夜だけで400ページまで読んでしまった。文章が華麗過ぎて時々わかりにくくなっているが、大した問題ではない。カルト教団に別れた妻を殺され、一人娘をさらわれたボブ・ハイタワー。元メンバーだったケイス・ハーディンと二人で教祖サイラスの行方を追う。ボブは保守的な警官で、ケイスは治療中のジャンキーという設定が面白い。しかも、主役はケイスなのだ。ストーリーが荒削りだとかそんなことはどうでもいい。とにかく詩情豊かな文体を堪能するべきだ。