公的生活であろうと私生活であろうと、人間生活のさまざまな出来事は、建築とごく密接につながっている。だから、たいていの観察家ならば、公共建造物の残骸にもとづいて国家を、あるいは家庭的遺物の調査によって個人を、ありし姿のままに復元しうるくらいだ。考古学が社会的自然界にたいする関係は、あたかも比較解剖学が有機的自然界にたいする関係のようなものである。魚竜の骨格が一つの世界の全容を無言のまま物語るように、一個のモザイクは一社会の全体をあらわに示す。すべては双方から由来し合い、相連絡する。それぞれの結果から原因にさかのぼることができるように、原因はおのずから結果を推察させる。学者はこうして古い時代を、微に入り細にわたって復活せしめるのである。