古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

『さようなら、ゴジラたち 戦後から遠く離れて』加藤典洋(岩波書店、2010年)



さようなら、ゴジラたち――戦後から遠く離れて

 大きな反響と論争を巻き起こすとともに、多くの誤解にも曝された『敗戦後論』の発表から15年。その間に深化した、著者の思索は、壁が崩れ、夢が霧散した世界に、自ら選択したものとしての戦後の可能性を――そこから遠く離れつつも――未来へ向けて押し広げる。戦後思想の核心から放たれる、現状変革への意志。