古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

円高は日本人の労働時間が世界で一番高く評価されている証拠

 新聞やテレビは「円高で輸出産業が悲鳴」「円高不況で失業」なんて不利な点ばかりを伝えるけれど、実は、この円高というのはものすごく素晴らしいことなんだよ。
 どうすごいかと言うと、要するに、われわれ日本人の労働時間が世界で一番高く評価されるようになってきたわけで、われわれの購買力が世界一高く評価されているということなんだ。
 その世界一の購買力をもってすれば、世界中のいろいろな企業を買うことだってできる。まして今は世界大不況で株価は低迷し、円は世界中で一番強い通貨になりつつあるからだ。
 世界中に埋蔵されている資源を押さえたりすることも可能だ。(中略)
 そもそも円高不況というのは、低賃金労働で輸出に依存している貧乏国の発想だね。
 要するに、低賃金で物をつくって輸出している国ほど自国通貨が高くなるのは困るわけだね。お隣の人口大国シナ(中国)は今、まさにそれで困っている。


【『ドンと来い! 大恐慌藤井厳喜〈ふじい・げんき〉(ジョルダンブックス、2009年)】


ドンと来い!大恐慌 (ジョルダンブックス)