古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

南米は左派政権だらけ


 15年くらい前まで、南米は「IMFを通してアメリカ合衆国に併合されるかも」と冗談で言われていた。だが、ここ数年の流れであっという間に南米中で左派政権(IMF・世界銀行に反対=反市場原理主義を掲げる立場)が登場するに至り、(中道左派も含めると)コロンビアとパラグアイを除く全ての国で左派政党が与党になっている。(電波受信記録)


 南米に左翼政権が登場した理由は、1982年の債務危機に根源がある。当時南米諸国は政治的には、それまでの長い軍事政権の抑圧から解放されつつあったが、債務危機からの“救済”をテコにして国際通貨基金(IMF)や世界銀行の構造調整プログラムという経済的桎梏のもとに置かれたのであった。(世界の底流)


 ラテンアメリカで左傾化現象が止まらない。背景にあるのは絶望的な貧富の格差だ。人々は右派勢力の口先だけの公約にそっぽを向き、貧困脱出の希望を左派勢力に託し始めた。そのため、左派政権にとって貧困解決が政治的地歩を固める試金石であるとともに、追いつめられた右派勢力にとっても貧困対策への取り組みが早急の課題となっている。(酔っ払いのうわごと)