J・クリシュナムーティ


 1冊読了。


 8冊目『自我の終焉 絶対自由への道』J・クリシュナムーティ/根木宏、山口圭三郎訳(篠崎書林、1980年)/クリシュナムルティ関連13冊目の読了。このペースで行くと今年中には読み終えてしまいそうだ。『あなたは世界だ』と同様、クリシュナムルティ華厳経に該当する作品。本書は『道徳教育を越えて』(霞ケ関書房)に続く2冊目の著書となる。原書は1954年刊。異様な昂奮に駆られて読み進むのだが、スルリと脱け出て捉えどころがない。全く不思議だ。彼は講話をする際、常に「それ」と共にあった。「それ」とはクリシュナムルティの空観である。彼には「空」なる世界が見えているのだ。講話の内容がそれを証明している。技巧や思考などでは到底及ばぬ言葉の奔流がある。クリシュナムルティの言葉は、「洞察の噴出」としか表現できない。多分、覚知した悟りに言葉が追いつかないためなのだろう。それが凄まじくトリッキーに感じられる。とても聴衆が理解できるとは思い難い。しかし、彼の言葉に触れると確実に真理に触れることができるのだ。