古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

スーザン・ブラックモア、フェリペ・フェルナンデス=アルメスト、上杉隆


 2冊挫折、1冊読了。


 挫折34『「意識」を語る』スーザン・ブラックモア/山形浩生、守岡桜訳(NTT出版、2009年)/どうも山形浩生と相性が悪い。困ったものだ。元々はラジオ番組の企画として取材をしていたが、番組がボツとなり書籍にしたもの。序文が不要なまでに冗長。読者のために割愛するという手もあっただろうに。ってなわけで本文に辿り着く前に挫けた。尚、フランシス・クリックの生前最後となったインタビューも収められている。


 挫折35『人間の境界はどこにあるのだろう?』フェリペ・フェルナンデス=アルメスト/長谷川眞理子訳(岩波書店、2008年)/何を隠そう長谷川眞理子訳も苦手である。著者は慎重居士。主張の角度が鈍い。慎重であれば、せめて腰の強さを示して欲しいところ。197ページで2000円は高い。


 74冊目『ジャーナリズム崩壊上杉隆幻冬舎新書、2008年)/記者クラブ制度が日本のジャーナリズムを崩壊させると警鐘を鳴らしている。著者の体験を交えながら、自らに課しているルールを紹介している。上杉隆には「正しい喧嘩精神」が横溢している。ジャーナリズムの現状を憂える人は、まず新聞購読をやめるべきだ。テレビ局が大手新聞社が独占していることを考えると、記者クラブ制度の問題はより一層深刻である。政治とメディアの癒着が国家を滅ぼすことは十分あり得る。