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有名作家もスパイの一員=MI6が初の正史出版−英

 スパイ映画「007」シリーズで知られる英対外情報部(MI6)の正史が21日、英国で初めて出版された。1909年の創設から49年までの40年間にわたるスパイ活動について、公式文書を基に詳細に解説、英国の有名作家サマセット・モームもスパイの一員であったことが公式に確認されている。
 執筆者はクイーンズ大(ベルファスト)のキース・ジェフリー教授(歴史学)。この40年間に限って関連極秘公文書の閲覧を特別に許され、810ページの歴史書を書き上げた。
 それによれば、MI6はイタリアの港で船を爆破したり、ナチス指導部の暗殺を計画したり、映画さながらの活動を展開。モーム以外にも「第三の男」で知られる小説家グレアム・グリーン、「ツバメ号とアマゾン号」シリーズで有名な作家アーサー・ランサムらがMI6に所属していた。
 英メディアによると、ジェフリー教授は「本物のジェームズ・ボンドたちはフィクションのボンドよりずっと興味深い」とコメント。執筆を委託したジョン・スカーレット前MI6長官は「MI6への理解を促し議論を深めてもらう」ことが出版の目的と説明したが、今回は「例外」で、続編の計画はないとも付け加えた。


時事ドットコム 2010-09-22