古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

ツボは神経の交差点/『一目でわかる! 必ず見つかる! ホントのツボがちゃんと押せる本』加藤雅俊

 身内に障害者がおり、何かの役に立てばと思って読んでみた。私自身は生まれてからこのかた、ただの一度も肩凝りを経験したことがない。マッサージとも無縁で、床屋で肩を揉まれるのもくすぐったくて苦手だ。


 結論から言おう。少しは役に立った。肩凝りなどの不快な症状がある人にはもちろん有益だ。この本が親切なのは、骨の透過イラストが挿入されているため、わかりにくいとされるツボの場所を特定しやすいこと。上手い工夫だと思う。

 何よりも重要なのは、ツボは神経の交差点であり、多くは骨のキワに存在するということ。なぜなら、人間にとって大切な神経の多くは、骨に守られるようにして体内を走っているからです。つまり、ツボは体の表面ではなく、奥にあるのです。


【『一目でわかる! 必ず見つかる! ホントのツボがちゃんと押せる本』加藤雅俊(高橋書店、2008年)】


 つまり、ツボを揉む場合は「骨のキワ」にぐいっと指を押し込む必要があるということだ。ツボが刺激されると、鈍い痛みのような感覚を覚える。ズキーンとくる場所があれば、そこがツボなのだ。


 一つだけ難点があり、項目が症状別となっているためツボの重複が目立つ。探しやすいことは確かだが、三つも四つも同じ写真を掲載するのはどうかと思う。でもまあ、1000円以下の本だから許そう。


 そして大切なのは、ツボ刺激だけに頼ろうとするのではなく、適度な運動と、ストレッチや体操などもしっかりと行うことだ。その前に普段から、「姿勢を正す」ことも必要だろう。