古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

文庫化『妻を帽子とまちがえた男』オリヴァー・サックス/高見幸郎、金沢泰子訳(ハヤカワ文庫、2009年)



妻を帽子とまちがえた男 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

 妻の頭を帽子とまちがえてかぶろうとする音楽家、からだの感覚を失って姿勢が保てなくなってしまった若い母親、オルゴールのように懐かしい音楽が聞こえ続ける老婦人――脳神経科医のサックス博士が出会った奇妙でふしぎな症状を抱える患者たちは、その障害にもかかわらず、人間として精いっぱいに生きていく。そんな患者たちの豊かな世界を愛情こめて描きあげた、24篇の驚きと感動の医学エッセイの傑作、待望の文庫化。