一生の時間は体重の1/4乗に比例する

 このような相関関係を「べき乗則」という。

 時間は体重の1/4乗に比例するのである。
 体重が増えると時間は長くなる。ただし1/4乗というのは平方根平方根だから、体重が16倍になると時間が2倍になるという計算で、体重が16倍なら時間も16倍という単純な比例とは違い、体重の増え方に比べれば時間の長くなり方はずっとゆるやかだ。
 この1/4乗則は、時間がかかわっているいろいろな現象に非常にひろくあてはまる。たとえば動物の一生にかかわるものでは、寿命をはじめとして、おとなのサイズに成長するまでの時間、性的に成熟するのに要する時間、赤ん坊が母親の胎内に留まっている時間など、すべてこの1/4乗則にしたがう。
 日常の活動の時間も、やはり体重の1/4乗に比例する。息をする時間間隔、腸が1回じわっと蠕動(ぜんどう)する時間、血が体内を一巡する時間、体外から入った異物をふたたび体外へと除去する時間、タンパク質が合成されてから壊されるまでの時間、等々。


【『ゾウの時間ネズミの時間 サイズの生物学』本川達雄中公新書、1992年)】


ゾウの時間 ネズミの時間―サイズの生物学 (中公新書)