古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

「“ショック療法” にはなるかもしれないが、政権交代しても、本質は何も変わらない」森達也

 最初に断っておくと、僕は民主党にまったく期待してません。政権交代して民主党政権ができたとしても、いまの政治の枠組み自体が変わらない限りほとんど何も変わらないでしょう。
 正直、民主党っていまだによくわからないんです。その正体も、なにがやりたいのかも。よく言われることだけど、憲法や安全保障の問題にしても左右の両端が全部そろっている。護憲派には民主党が政権をとったら「改憲」へ一気に突き進むんじゃないかという危機感があるかもしれないけれど、それもわかりませんよね。そういうわからない政党に、あまり権力を与えたなくないって気持ちもあるんだけれど……。
 結局、民主党の中枢にいるのは元自民党の人たちで、その意味では自民党のコピーでしかない。周辺には面白い人もいると思うけれど、それは自民党も同じ。それに結局周辺だから、どうしても発言力は弱くなる。(中略)
 いまの日本の政治はどうしようもないんだから、民主党自民党もほとんど違いはないけれど、政権交代すればどこかできっと摩擦が起きるから、その摩擦に期待して、このまま自公政権が続くよりは民主党を中心とした政権のほうがいいかな、ってそのレベルの認識ですね。


【「マガジン9条」】