古本屋の覚え書き

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「レッテルをはがす」湯浅誠


 湯浅誠という論客を、私は前原政之さんのブログ記事で知った。

湯浅●重要なのは、いかにそうしたレッテルをはがして、問題を普遍化していけるかということなのかな、と思います。


編集部●「レッテルをはがす」ですか?


湯浅●たとえば、僕はずっと野宿者の支援などの活動をやっていて、2007年に生活保護基準額の引き下げがあったときにも、その反対運動をやりました。そうすると、そもそも政治家が会ってもくれないんですよ。与党の自民・公明だけじゃなくて、民主党も。要は、「共産党がやってること」みたいなレッテルを貼られてしまっていたわけです。あの手この手を使って、「共産党員だけがやっている運動じゃないんですよ」ということを分かってもらうところから始めるしかなかった。
 もちろん、別に共産党が悪いというんじゃないですよ。ただ、そうしてレッテルを貼られちゃうと、何も話を聞いてもらえない。「何を言ってるか」よりも、「誰が言ってるか」のほうが重みを持っちゃうんです。本当はおかしいけれど、実際にはそういうことは常にあるんですよね。
 だから、そうして貼られた「レッテル」をはがして、いかに国会の平場で普通に議論できるテーマにするかが重要なんだと思います。そのための接点はこちらから見つけていかないと、向こうは絶対に見つけてくれない、見つける気なんかないんですから。


【「マガジン9条」】