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印鑑販売:会社社長らを起訴 特定商取引法違反で東京地検

 印鑑などの販売会社「新世」(東京都渋谷区)による特定商取引法違反事件で、東京地検は1日、法人としての同社と社長の田中尚樹(51)、営業部長の古沢潤一郎(40)両容疑者を同法違反(威迫・困惑)で起訴した。
 20〜40代の販売員の女5人も略式起訴され、東京簡裁からそれぞれ罰金100万円の略式命令を受けた。
 東京地検によると、7人とも世界基督教統一神霊協会統一教会)の信者と話し、起訴内容を認めているという。
 起訴状などによると、田中被告らは07年10月〜今年2月、JR渋谷駅近くの路上で30〜60代の女性5人に声をかけ、「先祖が武家で多くの人を殺している。因縁があなたの家に降りかかっている」などと不安をあおり、「因縁を振り払うため」として印鑑を16万〜120万円で売りつけたとされる。
 東京地検によると、田中被告が作成したマニュアルには◎配偶者に先立たれていないか◎親族や本人が事故に遭っていないか◎配偶者の浮気や離婚経験の有無――などを相手から聞き出し、「先祖の因縁」に結び付けて印鑑購入を勧誘するパターンが詳細に決められていたという。
 同社の07年度の売り上げ約2億円のうち印鑑販売による収入は約9700万円。
 販売員は30人程度なのに125人分の人件費を計上するなど不自然な点があり、東京地検は売り上げの一部が統一教会に流れた可能性もあるとみて捜査を継続する。
 統一教会は「当法人は宗教法人であり、いかなる営利事業も行っていない。新世とは関係がない」とコメントしている。


毎日新聞 2009-07-01】