05年4月のJR宝塚線(福知山線)脱線事故後の労組の対応を取り上げた「週刊文春」の記事で名誉を傷つけられたとして、全日本鉄道労働組合総連合会(JR総連)と、傘下のジェーアール西日本労働組合(JR西労)が発行元の「文芸春秋」(東京都千代田区)に対し、1100万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決が4日、東京地裁であった。水野邦夫裁判長は文芸春秋に対し、2労組側に計100万円を支払うよう命じた。
判決は、「週刊文春」が「労組が革マル派と深い関係にある」と記述した点については、「信ずるに相当の理由がある」と認定。その一方で、事故列車の車掌らへの取材をめぐり、「(労組側が)自らに都合の悪い情報についての取材・報道を阻止した」とした点については、「真実でない」として名誉棄損を認めた。
文芸春秋社長室のコメント 判決が、JR総連ならびにJR西労の背後で革マル派が蠢(うごめ)いていることを認めた点は評価できるが、原告の「マスコミ操作」を否定した点はとうてい承服できない。即刻控訴する。
【朝日新聞 2007-09-04】