文人・佐藤春夫の「一代の名著」としてほまれ高いエッセイ集。大正期ほぼ10年間の創作以外の文章をすべて収める。形式、主題ともに多様な、滋味に富み、諧謔あふれる全102篇を、いま、初版の排列そのままに上下両巻に分ち、内46篇を本書とする。(解題・丸谷才一)
「古き良き時代」の香り横溢する興趣つきないエッセイ集下巻。詩、花、美術、演芸、恋愛、身辺雑記、文壇ゴシップと、時に応じ、機に乗じた著者一流の健筆は止まるところを知らない。本巻において、校註者・牛山百合子による、「各篇発表時一覧」および「註」を付す。