東日本大震災:被災者の温かさ忘れない、女性巡査が福島での活動振り返る/川崎

 東日本大震災の被災地に初めて派遣された県警の女性警察官10人が18日、10日間の活動を終えて帰県した。若手の一人として活動した中原署地域課の斉藤未佳巡査(22)は「温かく迎えてくれた被災者のことは忘れられない。いつかまた、現地を訪れたい」と振り返った。


 10人が向かったのは福島県。同県警福島署の署員と数人で班を組み、相馬市やいわき市など県内各地にある避難所で被災者の相談や悩みを聞いて回った。さら地にぽつんと立つ小学校の体育館やアリーナ。大きい避難所では、いまも2000人近い人が生活を共にしていた。


 制服姿で中に入ると、見ず知らずの自分に次々と声を掛けてくれた。「遠いところから来てくれてありがとう」「板の上は足痛くなるから畳の上に上がんな」…。口から出てくる言葉はみんな温かかった。


 家族を亡くしたこと、家を失ったこと。それぞれが自身に起きた震災を話してくれた。「悲しむわけでもなく文句を言うわけでもなく、日常のことを話すように話してくれた」。何も返せなかった。「ただ聞くことしかできなかった」。そんな自分に被災者は言ってくれた。「聞いてくれてありがとう」。胸の中で思った。「こちらこそ、ありがとうございます」


 県警2年目の22歳。被災地で活動した自分ができることを、あらためて考えている。「交番勤務なので毎日たくさんの人に会う。その人たちの話をちゃんと聞いて、寄り添っていきたい」。いまはそれが、被災者へのせめてもの恩返しだと思っている。


神奈川新聞 2011-04-20


 行間から「人間への信頼」が感じられる記事だ。