古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

忘却を求める者

 ジャンソンは、バーカウンターの奥に並ぶ琥珀色のボトルに目をやった。どのラベルも仰々しいのは、忘却を求める者にとってはそれが恰好の口実を与えてくれるからだ。


【『メービウスの環』ロバート・ラドラム/山本光伸訳(新潮文庫、2004年)】


メービウスの環〈上〉 (新潮文庫) メービウスの環〈下〉 (新潮文庫)