ヒトへの進化を促したのは料理

 本書において私は新しい答えを示す。すなわち、生命の長い歴史のなかでも特筆すべき“変移”であるホモ属(ヒト属)の出現をうながしたのは、火の使用料理の発明だった。料理は食物の価値を高め、私たちの体、脳、時間の使い方、社会生活を変化させた。私たちを外部エネルギーの消費者に変えた。そうして燃料に依存する、自然との新しい関係を持つ生命体が登場したのだ。


【『火の賜物 ヒトは料理で進化した』リチャード・ランガム/依田卓巳〈よだ・たくみ〉訳(NTT出版、2010年)】


火の賜物―ヒトは料理で進化した