アフガン軍事作戦 公表以上の苦境が浮き彫り 米機密文書9万点ネット流出


 一連の経緯については、gloomynews氏がツイッターで情報発信している。

 アフガニスタン駐留米軍や米国の諜報(ちょうほう)機関の活動内容が示された9万点以上の機密文書が25日、民間の内部告発サイト「ウィキリークス」に公表された。イスラム原理主義勢力、タリバンパキスタン情報当局が水面下で支援していることや、米軍などの攻撃による住民の犠牲が過小報告されていたことをうかがわせる内容で、アフガン軍事作戦が政権側の公表以上に、厳しい状況に直面していることが浮き彫りになった。
 ウィキリークスは、政府や企業関係者から内部告発された情報などを公開するサイト。流出した文書は、2004年1月〜09年12月までに米軍や米中央情報局(CIA)などが現地で得た情報を報告書にまとめたもので、流出源は明らかではない。伝聞情報も少なくなく情報の精度は不明。
 米紙ニューヨーク・タイムズや英紙ガーディアン、独誌シュピーゲルウィキリークスから機密文書の事前提供を受け、文書の信憑(しんぴょう)性に関する検証などを行い、同時に報道した。
 ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)などが機密文書の内容として報じたところによると、パキスタンの三軍統合情報部(ISI)がタリバン接触し、アフガンのカルザイ大統領の暗殺を計画したり、テロ行為をアフガン国内に限定するよう求めたりしたという。
 また、米軍主導の北大西洋条約機構NATO)加盟国軍の攻撃で、数百人の民間人が犠牲になり、これまでに公表されていない事例も含まれているという。

米「安保への脅威」


 ジョーンズ米大統領補佐官(国家安全保障担当)は25日、「米国や同盟国を危険にさらし、国家の安全保障を脅かす機密文書の公表を強く非難する」との声明を発表し、アフガンやパキスタンとの関係に「影響はない」と強調した。
 一方、ウィキリークスの創設者、ジュリアン・アサーンジ氏は26日、ロンドン市内で記者会見し、「9万点の機密文書に記された一つ一つの死がアフガンで進行する戦争の真実を物語っている」「オバマ政権は民間人の犠牲を回避する戦略に切り替えたが、何も変わっていない」などと語った。
 オーストラリア出身の同氏は元ハッカーとしても知られ、4年前にウィキリークスを創設。米国防総省は今年に入り漏出した機密文書の公表を阻止するため、行方を追っていた。
 同氏は、機密文書を公表した経緯について「ガーディアン紙の記者を通じてニューヨーク・タイムズ紙、シュピーゲル誌と協力して文書を分析し解禁日を決めて報道した」と説明した。

新たな火種の危険性


 機密文書公開の反響は米国内で広がっている。米上院外交委員会のケリー委員長(民主)は25日、機密文書の内容について「不法な手段で明らかになったとしても、米国の政策の真実性に重大な懸念を抱かせる」との声明を発表し、政策の修正が必要な可能性もあるとの見解を示した。
 膨大な文書の分析次第では今後、アフガン軍事作戦をめぐり新たな火種になる危険性もはらんでいる。

機密文書の骨子/「パキスタンタリバン支援」


一、パキスタンの三軍統合情報部(ISI)がイスラム原理主義勢力タリバンを水面下で支援している
一、タリバンが航空機の撃墜に携帯用の熱線追尾ミサイルを使用している
一、オバマ政権下で米軍の秘密部隊が、テロ組織上層部の拘束、殺害を目的にした作戦を強化しており、一部の作戦では民間人の犠牲が出ている
一、米軍が使用する無人偵察・攻撃機の効果は公表されているほどではなく、墜落・衝突した同機体の回収で米兵は危険な任務を余儀なくされている(ニューヨーク・タイムズ紙の報道から)


産経ニュース 2010-07-27