古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

「Zamba de Loro Mario/マリオの歌」佐野まり





 FBで友人に教えてもらったチャランゴ奏者。ジャンルはフォルクローレ系。出だしのギターの音だけで泣きそうになってしまった。それにしても何と優しい声だろう。いっぺんでファンになってしまった。

住民ら「ここで寝起きして」=東電社長が避難所訪問−謝罪も、怒り収まらず・福島

 東京電力清水正孝社長は22日、福島第1原発事故で周辺住民が避難している福島県内の避難所を訪問した。事故から約1カ月半。ようやく謝罪に現れた社長に、住民は怒りをあらわにした。


 清水社長は午後1時半ごろ、約1500人が避難する郡山市ビッグパレットふくしまに、青の防災服姿で現れた。2時間近くにわたり、時には土下座しながら住民にわびて回った。


 富岡町の主婦遠藤恵子さん(55)は「きれいな富岡の町を返してください。もう帰りたいんです」と涙を流しながら清水社長に詰め寄った。夫(55)と2人の避難所暮らしは1カ月以上。持病も悪化し、先行きの見えない生活に死を考えたこともあるという。


 避難先で前日、母親(95)が亡くなったという横田一也さん(63)は「避難先で知人8人を亡くした。東電は殺人者だ。もう流す涙もない」と怒りをぶちまけた。


「どんな思いで生活しているか、ここで寝起きしてみて」。富岡町の農業佐藤ふじ子さん(58)も声を荒らげた。一時帰宅した際、飼っていた牛8頭のうち4頭は死に、子牛を身ごもっていた母牛の姿はなかった。「謝罪はうわべだけ。生活をどうしてくれるのか」と吐き捨てるように言った。


 一方、避難者の中には「頑張ってください」「体に気をつけて」と励ます人もいた。


 清水社長は謝罪を終え、「心身ともにご苦労されている様子が身にしみた。今まで築き上げた地域との信頼関係が崩れたと痛感した」と語った。その後、夜には同原発がある双葉町の住民約1400人が集団避難生活を送る埼玉県立旧騎西高校(同県加須市)を訪問。井戸川克隆町長に「一日も早く皆さまが故郷で生活できるよう全力を尽くしたい」と謝罪したが、同校での滞在時間は7分程度で、町民には会わなかった。


時事ドットコム 2011-04-22

『買ってはいけない』(「週刊金曜日」編)のトリック

 典型的なのは、動物に食品添加物を大量に食べさせて死なせる急性毒性試験の結果をもとにして、「○○を食べさせたら、ラットやマウスに深刻な健康被害が出て死ぬ。だから危険な物質だ」というもの。
 1999年に発行され、大ベストセラーになった『買ってはいけない』(「週刊金曜日」編)でも、このトリックが使われました。この種の実験は、有毒性がいつ出るか、つまりどの量で死ぬかを確かめるために行われます。人に換算すれば、一日に食品添加物を何百グラムも強制的に食べさせるような実験です。


【『メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学松永和紀〈まつなが・わき〉(光文社新書、2007年)】


メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学 (光文社新書)

氷河期から非氷河期までは、3000年でも300年でもなく、たった3年だった

 1989年、アメリカはグリーンランドの氷床の3200メートル下、つまり11万年前までの気候履歴を集めるためのアイスコア採掘プロジェクトに乗り出した。ちなみにそこから30キロ離れた地点では、ヨーロッパのチームが同様の調査をしていた。4年後、両チームとも目標深度にたどりつき、急激なという形容詞の定義はふたたび変わろうとしていた。
 調査の結果わかったのは、最後の小氷河期ヤンガー・ドリアスはたった3年で終わっていたということだった。氷河期から非氷河期までは、3000年でも300年でもなく、たった3年だったのだ。おまけに、ヤンガー・ドリアスの到来には10年しかかからなかったことも明らかになった。急激な気候変動は実際に起こるという証拠はこれで確実となった。これ以来、科学者は「急激な」という形容詞を使うのをやめ、「突然の」という形容詞を使うようになった。ワート博士は2003年の著書の中でこうまとめている。

 1950年代の科学者が数万年と信じていた気温の変動期間は、1970年代に数千年、1980年代に数百年になったが、いまやたった数十年であることわかった。


【『迷惑な進化 病気の遺伝子はどこから来たのか』シャロン・モアレム、ジョナサン・プリンス/矢野真千子訳(NHK出版、2007年)】


迷惑な進化―病気の遺伝子はどこから来たのか